耳血腫ドレナージ

耳血腫とは、耳介(耳たぶ)の内部に血液がたまることで、耳が腫れてしまう状態です。

外耳炎や耳のかゆみなどによって、頭を振ったり耳を掻いたりすることがきっかけとなり、耳介の血管が傷ついて発生します。

そのままにしておくと、耳が厚く硬くなったり、耳の形が変形したりすることがあります。

🐾 1. 症状

● 見た目
・耳が腫れている
・耳介が厚く膨らんでいる
・耳の形が左右で異なる
● 起こりやすい症状
・外耳炎(頭をよく振る、掻く、痛がる)
・耳を触られるのを嫌がる
● 症状の進み方
・耳介内部に血液がたまり
・時間が経つと血液が固まり、耳が硬くなることがある
・慢性化すると耳介が変形することがある

🐾 2. 診断方法

● ① 視診・触診
耳介の腫れ方や硬さ、痛みの有無などを確認します。
● ② 耳の状態を確認
耳血腫の原因となる外耳炎などがないか、耳道の状態を確認します。
● ③ 必要に応じて内容物を確認
注射針などを用いて、耳介にたまっている液体の性状を確認します。

🐾 3. 治療方法

● 軽度の場合
・炎症や痛みを抑える治療
・原因となっている外耳炎などの治療

● 耳血腫が大きい場合
耳介にたまった血液を排出する「ドレナージ処置」を行います。

その後、耳介の皮膚と内部を数か所縫合することで、血液が再びたまりにくい状態になるよう固定します。

耳血腫は、一度血液を排出しても再びたまってしまうことがあるため、耳介の状態に合わせて適切な方法で処置することが重要です。

【術前】
耳介が大きく腫れており、内部に血液が貯留している状態です。

【ドレナージ処置後】
貯留していた血液をドレナージし、耳介を数か所縫合して固定しました。処置後は耳介の腫れが改善しています。

🐾 予後(処置から3ヶ月後)

処置後は耳介の腫れも改善し、その後も良好な経過をたどっています。

耳血腫は、原因や状態によって治療方法が異なります。再発を防ぐためには、耳血腫そのものだけでなく、背景にある外耳炎などの原因を治療することも大切です。

🐾 飼い主さまへ

猫の耳が突然腫れている、耳を気にしている、頭をよく振るなどの様子が見られた場合は、耳血腫の可能性があります。

耳の腫れを放置すると、耳介の変形につながることもあります。

「耳がいつもと違う」と感じた場合は、早めの受診をおすすめします。