眼瞼内反整復術

眼瞼内反とは、まぶたが内側に巻き込まれてしまい、まつ毛や皮膚が目(角膜)に当たってしまう状態です。
そのままにしておくと、目の痛みや傷の原因になります。

🐾 1. 症状
● 見た目
・まぶたが内側に入り込んでいる
・まつ毛が目に触れている
● 起こりやすい症状
・涙が多い(流涙)
・目やにが増える
・目を細める、しょぼしょぼする
・前足で目をこする
● 症状の進み方
・目をこすることで角膜に傷がつく
・慢性的な炎症につながる

🐾 2. 診断方法
● ① 視診・触診
まぶたの巻き込み具合や、角膜への影響を確認します。
● ② 角膜の検査
角膜に傷がないかを専用の検査で確認します。
※眼瞼内反は見た目と症状から診断できることが多く、特別な検査を行わずに治療方針を決めることもあります。

🐾 3. 治療方法
● 軽度の場合
・点眼薬で炎症を抑える
・一時的にまぶたを外側に固定する処置(縫合)
子猫では成長とともに改善することもあります。

根本的な治療は「外科手術」
症状が続く場合は、まぶたの向きを正常に戻す手術(整復術)を行います。
手術では
・余分な皮膚を調整し
・まぶたが外側を向くように縫合
することで、目に当たらない状態にします。

手術が難しい場合(高齢・持病がある場合)
全身麻酔のリスクが高い場合は、無理に手術を行わず、次のような方法で管理します。
・点眼薬で角膜を保護する
・炎症や痛みを抑える治療
・こすらないようにケアする
目の状態と生活の質を考えながら、無理のない方法を選択します。

🐾 予後
適切に治療を行うことで
・痛みの軽減
・涙や目やにの改善
・角膜の保護
が期待できます。
手術後は、多くの場合良好な経過をたどります。

🐾 飼い主さまへ
猫は目の違和感を我慢してしまうことが多い動物です。
・涙が多い
・目を細めている
・よくこする
このような様子がある場合は、早めの受診をおすすめします。

術前
内側に入り込んだまぶたが刺激になり目やにや涙が出ています

手術直後

手術から1年後



術後は症状も改善し、現在まで良好に経過しています。

眼瞼腫瘤切除

犬の眼瞼腫瘤は、まぶたにできる「できもの」の総称で、多くは良性(マイボーム腺腫)ですが、目に影響を与えることがあるため注意が必要です。

🐾 1. 症状
● 見た目
・まぶたのふちにできる「小さなしこり」
・丸く盛り上がるように見えることが多い
・色は「黒・茶色・ピンク」などさまざま
● 起こりやすい症状
・目やに、涙が増える
・目をしょぼしょぼさせる
・まばたきのたびに角膜(黒目)に当たる
● 症状の進み方
・ゆっくり大きくなることが多い
・こすれて角膜に傷がつくことがあります

🐾 2. 診断方法
● ① 視診・触診
できものの大きさや位置、目への影響を確認します。
● ② 細胞診検査(針吸引)
細い針で細胞を採取し、良性かどうかの目安を確認します。
ただし、眼球に非常に近いため、安全面を考えて実施が難しい場合もあります。
● ③ 病理検査
切除した組織を詳しく調べ、確定診断を行います。
無理に針検査を行わず、切除してから詳しく調べる(病理検査)ことを選択するケースもあります。

🐾 3. 治療方法
● 基本は「外科的切除」
眼瞼腫瘤は、目に当たることで角膜を傷つける可能性があるため、早めの切除が勧められることが多いです。
手術では
・できものを丁寧に切除
・まぶたの形や機能を保つように縫合
を行います。
● その他
・経過観察(大きさや変化を定期的にチェック)
・点眼や軟膏で角膜の保護や炎症を抑える
・こすれて傷ができないようにケアする

🐾 予後
適切に切除できれば、
・目への刺激は改善
・見た目も自然に回復
多くの場合、良好な経過が期待できます。

🐾 飼い主さまへ
まぶたのできものは小さくても、目に傷をつける原因になることがあります。
・できものがある
・涙や目やにが増えた
・目を気にしている
このような様子が見られた場合は、お早めにご相談ください。

切除前



切除後



切除後も経過は良好で、現在まで再発は認められていません。

眼瞼腫瘍

病態

「まぶた」に結節(小さなデキモノ)が形成される場合があります。
犬の眼瞼に発生する腫瘍の多くは良性で、遠隔転移をするものは少ないとされています。
しかし、目に当たって結膜炎を引き起こしたり、出血するものもあり、動物に不快感を与えるものは摘出したほうが良い場合があります。
猫においては眼瞼に形成されるものでも悪性のものが多いとされ、扁平上皮癌、リンパ腫、肥満細胞腫、メラノーマなどの悪性腫瘍が報告されています。

診断

腫瘍が大きい、あるいは急速増大するものは針生検を実施。
腫瘤が小さい場合は切除生検で取って病理検査に提出することもあります。

治療

外科切除が基本になります。
V字に切除した後、細い糸で縫合します。病理検査結果に応じて補助治療を検討します。

できものが当たって結膜炎を繰り返していたワンちゃん

病理検査:マイボーム腺腫
良性腫瘍で術後経過良好でした!