体表腫瘍切除
身体に「しこり」が出来た場合、犬は良性悪性(がん)ともに出来ます。
猫は悪性のできものが多いです。
- いつからあるのか
- 大きくなるスピードはどうか
- 不快感はないか
- 他にできている場所はないか
等をお聞きして、FNA(針検査)を行います。悪性(がん)が疑われる場合や、不快感がある場合は切除対象となります。
会陰部尿道造瘻手術
病態
雄の猫ちゃんはペニス付近の尿道が細く、尿路結石が形成されるとおしっこが出なくなってしまうことがあります。
その状態を「尿路閉塞」といます。おしっこが1日出ない事は緊急事態です。
尿路閉塞は飲水量が低下する冬場に多いとされています。
まずはカテーテルを挿入しておしっこを出して状態を安定させます。
カテーテルを抜いておしっこが出れば内科治療ですが、再度閉塞してしまう場合は手術をご提案します。
診断
尿検査での結石の存在、血液検査で腎臓に負荷がかかっていないか、レントゲンや超音波検査での結石の個数・位置・膀胱内腫瘍の有無の確認が必要になります。
治療
原因によって治療は異なりますが、尿道の閉塞の解除が治療となります。包皮に尿道を縫合する手術で尿道自体を太くする手術が選択される場合が多いです。この子は初診時細いカテーテルが陰茎に入らない状況での手術になりましたが、術後は太いカテーテルが入るようになり、排尿の障害も改善されました。
症例1
症例2
症例3
みんな無事におしっこが出るようになってよかったです。
会陰部尿道造瘻手術は術後の再狭窄も多いとされていますが、当院で現在まで良好の成績を残しています。
スケーリング(歯石除去手術)
人間の歯科治療と同様に超音波スケーラーを使い歯石を除去します。
ただ、動物は人と同じように口を開けて維持できないので、麻酔下で処置を行います。
上記のようにスケーリングをすれば歯石・口臭は無くなります!
犬の口臭は無臭が正常です!!
このワンちゃんのご家族様は熱心に歯磨きを続け・・・
3カ月後も綺麗な状態を維持できています。素晴らしい!!
乳腺腫瘍
病態
乳腺腫瘍は中高齢の未避妊雌において最も一般的に認められる腫瘍です。
良性と悪性(乳癌等)の比率は50%:50%と言われています。
初回発情前(生後半年前後)に避妊手術をすると、腫瘍発生率が0.5%以下に抑えられると言われています。
診断
未避妊の雌といったヒストリーと、乳腺部に「しこり」ができている事を確認します。
触診のみでは他の腫瘍の可能性もあるので、出来る限り針検査(FNA)等で腫瘍細胞の確認をします。
治療
手術による摘出が第1選択となります。
乳腺腫瘍を確認したら、腫瘍の転移の有無や、全身状態を確認するために血液検査やレントゲン検査を実施します。
乳癌や悪性度の高い腫瘍の場合は補助的に抗癌剤を使います。