会陰部尿道造瘻手術

病態

雄の猫ちゃんはペニス付近の尿道が細く、尿路結石が形成されるとおしっこが出なくなってしまうことがあります。
その状態を「尿路閉塞」といます。おしっこが1日出ない事は緊急事態です。
尿路閉塞は飲水量が低下する冬場に多いとされています。
まずはカテーテルを挿入しておしっこを出して状態を安定させます。
カテーテルを抜いておしっこが出れば内科治療ですが、再度閉塞してしまう場合は手術をご提案します。

診断

尿検査での結石の存在、血液検査で腎臓に負荷がかかっていないか、レントゲンや超音波検査での結石の個数・位置・膀胱内腫瘍の有無の確認が必要になります。

治療

原因によって治療は異なりますが、尿道の閉塞の解除が治療となります。包皮に尿道を縫合する手術で尿道自体を太くする手術が選択される場合が多いです。この子は初診時細いカテーテルが陰茎に入らない状況での手術になりましたが、術後は太いカテーテルが入るようになり、排尿の障害も改善されました。

症例1

手術直後
術後2日目
術後15日目

症例2

手術前
術後1日目
術後11日目

症例3

手術前
手術中、陰茎を牽引
手術直後

みんな無事におしっこが出るようになってよかったです。

会陰部尿道造瘻手術は術後の再狭窄も多いとされていますが、当院で現在まで良好の成績を残しています。