断指手術(腫瘍外科)

病態

足先にできる腫瘍の切除に選択される術式です。扁平上皮癌やメラノーマが好発します。
写真は右前肢の第5指(小指に相当する部分)の爪床が癌化し、腫れて赤黒くなっています。
扁平上皮癌では骨が溶けてしまい痛みが強く出ることが多いです。

診断

細胞診で腫瘍細胞の確認やレントゲン検査で骨の異常を検出します。
正常な指と比較すると小指がもやもやしていて、骨溶解を疑わせる所見です。

治療

骨ごと指を切除する手術になります。マージンといって余裕を持って切除するため、小指の関節で切断しました。

病理検査結果は扁平上皮癌で、マージン(余白)は確保されており、脈管浸潤(血管内に癌細胞が入り込む所見)はなかったので、リンパ節転移は注意が必要ですが、この子は切除後3年、再発や転移はありませんでした。