眼球摘出手術(腫瘍性)

病態

犬の目には腫瘍が発生する場合があります。その半数はメラノーマと呼ばれる「がん」と言われています。
今回は他の病院で腫瘍の切除をした後に再発し、瞬膜領域に発生した腫瘤を眼球ごと切除したワンちゃんをご紹介します。
片目になっても、ワンちゃんが日常生活を過ごす分には大きな支障はないとされています。

術後写真が出ますので苦手な方はご遠慮ください

診断

針生検や病理組織診断による確定診断を行います。
しかし、眼球に針をさすリスクもあるので、治療的診断をする場合もあります。
目のエコー検査をして腫瘍の発生部位を推定します。
レントゲンで腫瘍が転移していないかを確認し、手術可能か判断します。

治療

病変のみの切除、場合によってはマージンといって周囲の組織も一緒に摘出する場合があります。
今回は再発であり、眼球を残した切除では再度再発の可能性がありました。
ご家族様とご相談の上、眼球ごと腫瘍を一括切除する事となりました。
病理組織診断に基づく抗がん剤による補助治療が術後に必要な場合があります。
右の写真は術後1ヶ月の外貌です。

病理検査:腺癌 マージン(ー)
残念ながら悪性腫瘍であった為、術後に補助的化学療法を行いました。
右目は失ってしまいましたが、現在は再発・転移もなく元気に過ごしています!