歯肉・口内炎

病態

歯周病の初期に発症する状態で、歯肉に炎症が起こり、発赤や腫脹がみられます。
症状が進行すると、歯肉からの出血が起こりやすくなります。

歯石に関連することが多い
歯石以外にも感染(細菌、ウイルス)、免疫反応の異常などが関連する

診断

視診による歯肉や口腔粘膜の炎症で判断します。
猫はFIV(猫エイズ)・FeLV(猫白血病)感染の有無を確認します。

口内炎(猫)
歯肉炎(犬)
舌炎(猫)

治療

原因を推定して治療していきます。

歯石が原因の場合スケーリング(歯石除去手術、全身麻酔)
ウイルス感染が先行する場合インターフェロン製剤
細菌感染が重度の場合抗生物質
炎症が重度の場合消炎剤、ステロイド
免疫反応が先行している場合免疫抑制剤、ステロイドなど

抜歯手術

猫ちゃんの抜歯手術の1例を記載します。
歯周病・歯肉炎の症状から犬歯以外の臼歯を全て抜歯しました。

処置前
処置後
処置前
処置後

歯石

病態

歯垢が、唾液中のカルシウムやリンを取り込んで、硬く石灰化したものを「歯石」といいます。
歯石には大量の菌が含まれているので、「歯石」=「細菌」と言うことになります。
ヒトは歯垢が歯石に変化するまで約20日と言われていますが、犬は約3日、猫は約7日と言われています。

診断

主に視診で判断します。
正常の犬・猫の口の中は無臭に近いです。
口が臭い、と感じられる場合は歯石付着があるかもしれません。

治療

歯石は歯磨きで除去できません。
歯石の表面は凹凸状になっているため、さらにその上に歯垢が付着します。
この状態を放置すると、歯周炎になってしまいます。
歯周炎にならないためにも、デンタルケアを積極的に行い、歯垢や歯石が付着しないようにしましょう。