内視鏡
鼠径部潜在精巣摘出
通常、精巣下降(陰嚢内に精巣が降りてくること)は生後2−3ヶ月までに起こり、生後半年には陰嚢内にしっかりと精巣が触知されることが正常です。
精巣下降は腎臓の近くから内股を通って陰嚢に達します。
鼠径部(内股付近)で精巣が下降しない状態を鼠径部潜在精巣と言います。
この潜在精巣では、陰嚢内よりも精巣が高温に晒され、癌化するリスクが約9倍増加するというデータもあります。
その為、潜在精巣は早期の摘出が望ましいと考えられています。
鼠径部ヘルニア修復手術
犬の下腹部には「鼠径輪」という構造があり、よく吠えたり活発なワンちゃんは「鼠径輪」へ内蔵が飛び出す(ヘルニア)ことがあります。
写真では少しわかりにくいですが、左下腹部の腫れを主訴に来院されました。
触診やエコー検査でヘルニア内容物を確認し、整復手術を行います。
顔面鄒壁切除
病態
顔のシワが長すぎて、皮膚や目に障害を起こす事があります。
特に短頭種で発生が多く、顔にあるシワとシワの間に皮膚炎が起きたり、目(角膜)に毛が接触することで目がしょぼしょぼしたり、皮膚を痒がるという症状が出るケースがあります。
診断
角膜への色素沈着、シワの間の皮膚検査などで診断します。
毛やシワが日常的に目に当たることによって、白目に黒色の色素沈着が出ています
治療
内科的にシワの間の消毒や抗生物資の内服で治療するケースもありますが、繰り返す事が多いです。
根本解決として、外科的にシワを切除するという選択もあります。
短頭種のオーナー様でお顔の皮膚炎や角膜潰瘍にお困りの際は是非受診をお勧めします。
舌裂傷縫合
ソファーから飛び降りた後、口から血が出て止まらない状態で来院されました。
口周りは血だらけの状態で、ご家族様も心配なご様子でした。
舌の裂傷(切り傷)はすぐには出血が止まらず、麻酔をかけないと出血点が確認できない場合があります。
この症例は自分の「歯」で「舌」の裏側を切ってしまったようです。
膀胱結石摘出
腹腔内潜在精巣摘出手術
犬は出生時には、まだ精巣は腹腔内(お腹の中)に位置します。
通常、雄犬は約6カ月齢までに陰嚢内に精巣下降が完了するのですが、腹腔内や鼠径部に精巣が停留してしまうことがあります。(潜在精巣と呼ぶ)
この停留精巣では、陰嚢内よりも精巣が高温に晒され、癌化するリスクが約9倍増加するというデータもあります。
その為、潜在精巣は早期の摘出が望ましいと考えられています。
以下が鼠径部・腹腔内停留精巣の手術写真です。
脛骨骨折整復手術(プレート固定)
脛骨・腓骨の骨折をプレートを用いた手術で治療した例です。
この症例はプレートを除去せず、現在は調子良く過ごしています。
脛骨剥離骨折整復手術(ピン、ワイヤー固定)
成長期の子犬は脛骨粗面という箇所が脆く、剥離骨折をしてしまう事が多いです。
上記骨折部位をピン固定して手術しました。
胆嚢切除
胆嚢という臓器をご存知ですか?
肝臓で作られる消化液を貯める袋状の組織です。時にその袋が詰まり、動物が黄疸する事があります。
血液検査やエコー検査等を行わなければ胆嚢の正確な状態は把握が難しいです。
また、胆嚢は破裂してしまう場合もあります。破裂すると腹膜炎を起こし、危険な状態となります。
以下に胆嚢が破裂してしまった場合の手術写真を載せます。
胆嚢破裂は緊急手術の場合も多いです。
この子は早期の手術で無事に退院できました。
胆嚢は血液検査や画像診断を行わないと状態の判断ができません