膀胱結石
病態
結石はオス、メスどちらも形成されます。体質や食事、感染に関連してできてしまうことが多いです。
オスは尿道が細長いので、尿道に詰まってしまい(塞栓)尿が出なくなることもあります。
症状は下腹部の痛みので排尿姿勢をとるようになります。
尿路結石はストルバイトとシュウ酸カルシウムが多く、ストルバイトは食事でも管理可能ですが、シュウ酸カルシウムは手術による摘出が必要な場合が多いです。
診断
尿を採取し、顕微鏡で結石を確認します。
また、レントゲンや、エコー検査で膀胱の状態を確認します。
治療
ストルバイトであれば食事療法を行います。
結石が大きく、尿が出ない場合は、手術で結石を摘出する場合があります。
膀胱炎
病態
尿道から膀胱へ細菌が侵入し起こる病気です。
猫はストレスでなる特発性膀胱炎が多いです。
飲水量が減ってくる冬場に多いため、しっかりと水分を摂取させることが重要です。
診断
尿を採取し、出血の有無や顕微鏡で細菌等を観察します。
血液検査で出血傾向の確認や、レントゲン検査で尿路結石がないかを確認します。
治療
抗生物質の投与や、点滴を行います。
結石がある場合は、食事療法を行います。
腎結石
病態
腎臓に結石が形成される状態です。
タンパク過剰摂取やミネラル代謝異常、細菌感染により発生します。
膀胱と腎臓をつなぐ「尿管」に結石が転落する場合は急激に腎臓が悪化する場合もあります。
診断
尿検査、血液検査で腎臓の状態を確認し、レントゲン、エコーでの画像検査も行います。
治療
臨床的には投薬で経過観察する事がほとんどです。巨大な結石で閉塞がある場合は腎結石摘出手術を行います。
結石の種類によっては、内科的治療もあります。
腎不全
病態
腎臓が障害を受け、その働きの約75%が失われると、本来であれば尿として排出される老廃物が体内に急激に蓄積されます。
このように腎臓の機能が低下することを腎不全と呼びます。
15歳以上の猫では3頭に1頭が腎臓病と言われています。
診断
血液検査で腎臓の状態を確認して、尿検査を行います。
腎臓の形態を確認するためには、レントゲンとエコー検査で腎臓を観察する必要があります。
治療
本来、再吸収する水分を失ってしまうため、点滴で水分を補給します。
完治は難しい為、体調を維持する治療となります。
食欲不振や、嘔吐など消化器症状がみられる時には、内服薬の投与をします。