病態
外陰部に形成される腫瘤として、乳腺腫瘍や膣および尿道の腫瘍、皮膚腫瘍などが挙げられます。
今回は外陰部の脇に腫瘤が形成された子のお話です。
陰部が腫瘍で押されて、右側に変位しています。このまま放置し、腫瘍が大きくなって尿道を圧迫し、尿が出なくなる危険性を考え、検査・手術をすることになりましたので。
診断
針生検(FNA)や切除生検による腫瘤の確定診断ののち、手術範囲を決定します。
また血液検査や画像診断で基礎疾患や遠隔転移の有無を確認する必要があります。
今回はFNAで紡錘形の細胞が得られ、平滑筋腫瘍が考えられたのですが、乳腺組織との関連も完全には否定できず、尾側乳腺(3−5乳区)と同時に、尿道を確保し外陰部毎一括切除する事となりました。
治療
外科切除が第一選択となることが多いです。
手術:尾側乳腺(3−5乳区)と同時に、尿道を確保し外陰部毎一括切除
病理検査:平滑筋腫 マージン(ー)
良性腫瘍であり、切除後経過良好です。排尿も問題ありませんでした。