胃切開、腸切開異物摘出手術
動物の誤食にはご注意ください。
誤食は若いわんちゃん、猫ちゃんで特に多いです。
特に紐状の製品を飲み込んでしまうと、腸閉塞を起こしてしまう場合があります。
その場合は数日以内に緊急手術となる場合が多いです。
以下に紐状の異物を飲み込み、腸閉塞の手術をした症例をご紹介します。
症例1
症例2
術後は1週間程度入院が必要な事が多いです。
誤食には気をつけてあげてください。
眼瞼腫瘤切除手術
眼球摘出手術(腫瘍性)
病態
犬の目には腫瘍が発生する場合があります。その半数はメラノーマと呼ばれる「がん」と言われています。
今回は他の病院で腫瘍の切除をした後に再発し、瞬膜領域に発生した腫瘤を眼球ごと切除したワンちゃんをご紹介します。
片目になっても、ワンちゃんが日常生活を過ごす分には大きな支障はないとされています。
術後写真が出ますので苦手な方はご遠慮ください
診断
針生検や病理組織診断による確定診断を行います。
しかし、眼球に針をさすリスクもあるので、治療的診断をする場合もあります。
目のエコー検査をして腫瘍の発生部位を推定します。
レントゲンで腫瘍が転移していないかを確認し、手術可能か判断します。
治療
病変のみの切除、場合によってはマージンといって周囲の組織も一緒に摘出する場合があります。
今回は再発であり、眼球を残した切除では再度再発の可能性がありました。
ご家族様とご相談の上、眼球ごと腫瘍を一括切除する事となりました。
病理組織診断に基づく抗がん剤による補助治療が術後に必要な場合があります。
右の写真は術後1ヶ月の外貌です。
病理検査:腺癌 マージン(ー)
残念ながら悪性腫瘍であった為、術後に補助的化学療法を行いました。
右目は失ってしまいましたが、現在は再発・転移もなく元気に過ごしています!
断指手術(腫瘍外科)
病態
足先にできる腫瘍の切除に選択される術式です。扁平上皮癌やメラノーマが好発します。
写真は右前肢の第5指(小指に相当する部分)の爪床が癌化し、腫れて赤黒くなっています。
扁平上皮癌では骨が溶けてしまい痛みが強く出ることが多いです。
診断
細胞診で腫瘍細胞の確認やレントゲン検査で骨の異常を検出します。
正常な指と比較すると小指がもやもやしていて、骨溶解を疑わせる所見です。
治療
骨ごと指を切除する手術になります。マージンといって余裕を持って切除するため、小指の関節で切断しました。
病理検査結果は扁平上皮癌で、マージン(余白)は確保されており、脈管浸潤(血管内に癌細胞が入り込む所見)はなかったので、リンパ節転移は注意が必要ですが、この子は切除後3年、再発や転移はありませんでした。
抜歯手術
外側耳道切除手術
咽頭粘液嚢胞切除手術
犬には唾液腺が複数あり、その一つが腫れてしまい咽頭部(喉の奥)を塞いでしまう病気があります。
レントゲンで喉の状態を確認した後、手術で嚢胞を切開します。
再発する場合は頚部の下顎腺を摘出する場合もあります。
症例1
症例2
口腔腫瘍切除
去勢手術(精巣摘出手術)
去勢手術では、以下のような病気を未然に防ぐことが出来るメリットがあります。
- 精巣腫瘍
- 前立腺肥大
- 肛門周囲腺腫
- 会陰ヘルニアなど
他にも性的行動によるストレス緩和や、ある程度大人しくなる効果も期待ができます。
通常去勢手術は日帰りで行っております。
以下に去勢手術の写真を添付します。
卵巣子宮摘出手術(避妊手術)
卵巣子宮摘出手術では、以下のような病気を未然に防ぐことが出来るメリットがあります。
- 乳腺腫瘍
- 子宮蓄膿症
- 偽妊娠など
他にも性的ストレス緩和や、発情出血の抑制効果が期待ができます。
乳腺腫瘍(乳がん)の予防には早期(6カ月齢前後)の避妊手術が必要とされています。
また、ウサギは子宮疾患の罹患率が高く、子宮から出血性貧血を起こすリスクも知られています。
まだまだウサギの避妊手術は犬や猫よりも一般的ではないような印象ですが、ご相談くださればと思います。
避妊手術は日帰りで行っております。
以下が避妊手術の写真です。